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Unite 2017 Tokyoレポート「みんなのスマートフォンでここまでできる ~Kudan ARを使ったモバイルAR/MRの世界」1

5月8日、9日の2日間に渡り、東京国際フォーラムにおいて「Unite 2017 Tokyo」が開催された。Unite 2017 Tokyoとは、ユニティ・テクノロジーズ(本社:アメリカ)が開発したゲームエンジン「Unity」ユーザーのための一大カンファレンスイベントで、各種セッションやブース出展を通じ、ユーザーがUnityへの理解度を高め、利用方法のバリエーションなどを増やすことが目的である。イベントでは本社スタッフをはじめ、Unityを活用する企業のメンバーなどが多数登壇し、ゲーム制作の枠を超えた興味深いセッションが行われた。

この最先端情報満載のカンファレンスの中から、いくつかのセッションを抽出。ゲーム制作に携わる人たち、あるいは、ゲーム業界に近いところで活躍する人たちに向けてレポートをお届けする。

 「Kudan AR」が可能にした、スマートフォンさえあれば体感できるモバイルAR/MR

このセッションで登壇したのは、kudan株式会社(以下、kudan)Business Developmentの千葉悟史氏。kudanは、大野智弘氏が2011年にイギリスで設立。14年に親会社となる日本法人が設立されたという一風変わった歴史を持つ。イギリスのブリストルでは主に開発を、親会社である日本法人では管理全般を行っている。Augmented Reality(拡張現実=AR)エンジン開発が主軸で、これからの飛躍が期待される注目の企業だ。

千葉氏は、「スマートフォンを使ってのAR表現は、どこまでできるのか」というテーマを踏まえ、自社開発のARアプリ、およびUnityを用いた実例を紹介する。セッション冒頭で千葉氏は、「スマホでのARは、(所詮)こんなもの、と思っていませんか?」と問いかける。「本当のAR/MRをやるなら、ハイエンド端末が小さく、軽くなって普及する数年後まで待たなければならない、と思っていませんか?」とも。

そんな多くのユーザーの気持ちを代弁するかのような問いを並べたあと、千葉氏が紹介したデモ映像は、会場の空気を一変させた。特にマーカーが置かれているわけでもない何の変哲もないデスクの上に、スムーズなアクションを見せながら浮かぶ3Dで描かれた太陽系のモデル。非常にクオリティの高いこのAR映像は、実はスマートフォン上で表現されたものであるという。

セッション会場では実際にスマートフォンを使って、デモ映像と同じ太陽系を再現。端末を左右に動かしたり、グッと近寄ったりしてもまったく違和感のないAR映像が参加者の目の前で展開された。続いて、同様に会場で公開されているスマートフォン映像の中に、Unityのキャラクター「ユニティちゃん」を召還。ここで使用した「ユニティちゃんAR」というスマートフォン用アプリには、kudanが開発したARエンジンが搭載されている。

特にハイエンドな端末を用いなくても、スマートフォンさえあればどこででもマーカレスARが可能になる、それがkudanのARなのだ。

ハイクオリティなAR映像を目にした興奮も冷めやらぬ中、千葉氏はkudanの企業紹介、および、kudanが保有しているいくつかの有益な技術についての解説を進めていく。ベースとして持っているのは、コンピュータビジョン(CV)技術。visual SLAMという「2D/3D認識」エンジンだ。

これは、カメラだけで周辺環境の3D形状を認識し、同時にカメラの位置がどこにあるのかという自己位置推定をする技術。赤外線デプスセンサーも使わず、複眼カメラも用いない。加速度センサーもジャイロも不要で、単眼カメラだけでこれを可能にしたのがkudanの技術の最大の特徴だ。これを元に、モバイルアプリとして開発しやすいパッケージにまとめたのが、kudanの「AR SDK」である。

 

「みんなのスマートフォンでここまでできる ~Kudan ARを使ったモバイルAR/MRの世界」2に続く