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Unite 2017 Tokyoレポート「セルシェーダーを使用した3Dキャラアプリの開発事例」1

5月8日、9日の2日間に渡り、東京国際フォーラムにおいて「Unite 2017 Tokyo」が開催された。ユニティ・テクノロジーズ(本社:アメリカ)が開発したゲームエンジン「Unity」ユーザーのための一大カンファレンスイベントで、各種セッションやブース出展を通じ、ユーザーがUnityへの理解度を高め、利用方法のバリエーションなどを増やすことが目的。イベントでは本社スタッフをはじめ、Unityを活用する企業のメンバーなどが多数登壇し、ゲーム制作の枠を超えた興味深いセッションが行われた。

この最先端情報満載のカンファレンスの中から、いくつかのセッションを抽出。ゲーム制作に携わる人たち、あるいは、ゲーム業界に近いところで活躍する人たちに向けてレポートをお届けする。

「セルシェーダーを使用した3Dキャラアプリの開発事例」

Unite 2017 Tokyoの初日に行われたセッションの中から、株式会社テトラ(以下、テトラ)の谷口充大氏による講演をご紹介したい。テトラは2007年に誕生した、CM、映画、ゲームなどのハイクオリティなCG映像を制作するプロダクション。同社代表を務める谷口氏が今回掲げたのは「セルシェーダーを使用した3Dキャラアプリの開発事例」という、Unityを活用しながら制作の現場で活躍するクリエイターにとって、非常に有益なセッションテーマだった。

冒頭で動画を交えて紹介されたのは「夢幻のラビリズ」という、自社開発のスマホアプリ。キャラクターの衣装をカスタマイズし、強化しながら、ダンジョンを攻略していくゲームだ。制作の際にスタッフが念頭に置いたのは、「今出ているアニメ表現としては最高のものを」「特に太いラインの表現をしっかり描く」「映像で培ったノウハウを生かす」という3つの大きなテーマだという。

上記のテーマを踏まえ、ゲームのメインキャラクターである「リズ」を制作していくためにどのようなソフトと技術が用いられたのか。まず、公開された使用ソフトは次の通り。

◆モデル作成

・Maya

・Roadkill(UV展開)

・Substance Painter(テクスチャ作成)

◆ゲームエンジン

・Unity

◆チェックバック・アセットの管理

・Shotgun

・RV

主人公となるキャラクターはリズ1体だが、着せ替え要素が重要なゲームということもあり、素体1体に加え、髪と目の色が7色、装備が21種類、各装備のカラーが3色ずつと、非常に多様なバリエーションが必要となった。それを踏まえ、モデリング効率の重視、色映えのしやすさ、バージョン制作に対応できる仕組み作りを心掛けたという。

モデリングの際のソフトの活用についての詳細な説明もあった。Mayaで作ったキャラクターのモデルをUnityに移行する際、そのままだとテクスチャやアウトラインが歪んでしまうため、自社のプログラミングチームがFBX変換ツールを開発。Mayaでの見た目をそのままUnity上に反映させることに成功した。UV展開にはRoadkillを使用。カットするエッジを指定すれば自動で的確に展開してくれるので、本来ならば慣れるまで時間のかかってしまう作業を大幅に短縮することができた。テクスチャ作成はSubstance Painterで。前述のようにカラーバリエーションの豊富なキャラクター、装備を作成する必要があったので、テクスチャの色見の確認は重要。3Dヴューで感覚的に描けるSubstance Painterは、非常に役に立つツールとなった。

作成されたモデルは、Unity上に移され、最終的な見た目の調整が行われる。実は、テトラが「夢幻のラビリズ」のような本格的なゲームアプリを、Unityを使って開発するのは初めての試み。ここからの作業は試行錯誤の末に生み出されたフローとなったそうだ。

 

「セルシェーダーを使用した3Dキャラアプリの開発事例」2に続く