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日本伝統のワークフローでデジタルアニメを制作できるToon Boom社のツール(2)

Harmonyによる仕上げ以降の工程

仕上げ以降については、愛敬氏が解説した。動画について、アナログではスキャン作業が必要になるが、Harmonyでは不要。最初に行なうのは、ラインアートからカラーアートを作成する作業だ。これによって、ラインアート上にある線から、形状が拾われる。
紙ベースではスキャンで二値化するとき線が途切れたり、ゴミが付いたりといったトラブルが起こるが、Harmonyではこういったことは考慮しなくていい。

また、ラインアートを複数枚で選択して〝複数描画に適用〟すれば、タイムライン全体に対して形状作成を実行できる。何十枚も動画がある場合は、時間を短縮できる機能だ。

愛敬氏は続いて、ペイントを実演。パレットから色を選択して塗ると、パレットとその領域は連動する。このため、後から色を変更することもできる。離れた領域であっても、同じパレットで塗っていれば、全部の色を変えられる。またパレットを差し替えた場合、同じ名前を使っていればまとめて色が変更される。
ペイントにはグラデーション機能もあり「髪の毛などに利用できるのでは」と思っているそうだ。

撮影は、ノードビューで行なう。レイヤーに対してエフェクトをかけ、最終的にコンポジットして行く。ラインアートとカラーアートが分かれているので、カラーアートだけ出力を抜いて色を抜く、手前から奥へと歩くシーンで手前では線を太めに、奥では細めにするという調整も行なえる。

エフェクトの一例としては、冒頭の雨が降っているシーンが取り上げられた。雨の煙っている部分はタービュレントノイズ、乱気流エフェクトを使用している。
また、チンダル現象の埃を、スノーエフェクトを利用して作ったことも紹介された。日本のアニメーションで使われるさまざまなエフェクトが、Harmony単体で作れるそうだ。

Henry氏は、制作の実演デモも行なってくれた。ラフ原画を何枚か描き、中割を追加。その中割が適切か、デジタルならすぐ確認できることが示された。さらに、愛敬氏がラインアートからカラーアートを作成し、穴を〝隙間をふさぐ〟ツールでふさいで塗る、未ペイント部分をまとめて塗る、といった作業の様子を行なって見せた。